特定技能でネパール人を採用するには?条件・手続き・費用を解説

ネパール人を特定技能で採用する条件を知りたい
現地採用と国内採用で必要な手続きが分からない
入職後の日本語教育や定着支援に不安がある
こうしたお悩みはありませんか?
採用には、日本の在留手続きとネパール側の手続きを分けて確認することが必要です。
介護事業所では、受け入れ要件と入職後の育成体制も整えましょう。
この記事では、試験・手続き・費用の考え方から、文化への配慮や資格取得支援まで解説します。
ネパール人介護士の採用を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
ネパール人の特定技能採用の基礎知識
ネパール人を特定技能で採用する際は、制度の条件と本人の希望を把握することから始めます。
国籍だけで適性を判断せず、採用ルートと入職後の育成まで見通すことが大切です。
ネパール人の特徴・文化・生活習慣
ネパールは多様な民族・言語・宗教を持つ国で、公用語はネパール語です。
ヒンドゥー教徒が多い一方、仏教やイスラム教などを信仰する人もいます。
そのため、言葉や食事、生活習慣の希望は本人に確認することが基本です。
例えば、職員食で避けたい食材があるか、帰省したい時期があるかを聞いておきましょう。
「ネパール人だから介護に向いている」と決めつけず、面接では経験や仕事への考え方を具体的に確かめます。
特定技能の対象分野と在留期間
特定技能は、人材確保が難しい産業分野で外国人が働くための在留資格です。
介護のほか、農業や宿泊、飲食料品製造業などが対象となっています。
特定技能1号の在留期間は原則として通算5年が上限で、家族の帯同も原則認められません。
更新しながら働く制度のため、採用時には過去の特定技能1号の在留歴も確認します。
対象分野であっても、すべての仕事を任せられるわけではありません。
募集する業務が分野ごとの対象に含まれるかを確認しましょう。
介護の業務範囲と長期就労
介護分野では、食事や入浴、排せつなどの身体介護を中心に担当します。
関連する補助業務もできますが、清掃や物品補充だけを任せる働き方は認められません。
介護は特定技能2号の対象ではなく、長期就労には在留資格「介護」への変更が選択肢となります。
介護福祉士の資格を取得し、所定の要件を満たして変更する流れです。
なお、訪問系サービスへの従事には、実務経験や研修、同行指導などの追加要件があります。
現地採用と国内採用の違い
主な採用ルートは、ネパールから呼び寄せる方法と、日本在住者を採用する方法です。
候補者の所在地により、必要な在留手続きと渡航準備が変わります。
比較項目 | ネパール現地から採用 | 日本在住者を採用 |
日本側の主な手続き | 在留資格認定証明書の取得・査証申請 | 在留資格変更許可申請など |
渡航の準備 | 出国前手続き・海外労働許可証の取得 | 一時帰国後の再渡航にも注意 |
採用時の確認 | 日本語力・来日後の生活準備 | 在留歴・現在の就労条件・転居の要否 |
国内採用でも、在留資格や転職の状況によって手続きは異なります。
本人の希望と事業所の受け入れ体制に合わせて選びましょう。
特定技能の取得条件と試験
特定技能で働くには、本人の要件と分野に応じた試験の条件を満たす必要があります。
試験への合格と在留資格の許可は別の審査であることを踏まえ、採用前に確認しましょう。
年齢・健康状態・在留状況
特定技能の対象となる外国人は18歳以上で、健康状態が良好であることなどが求められます。
採用前には、健康診断のほか、次の項目を確認しましょう。
旅券の有効期限と本人情報
日本に住んでいる場合の在留資格・在留期限
過去の特定技能1号での在留期間
試験を受けられる年齢と、特定技能で働ける年齢は同じではありません。
例えば、ネパール国籍の人は介護特定技能評価試験を満17歳から受験できます。
合格していても、就労開始時の要件は別に確かめる必要があります。
日本語試験と技能試験
特定技能1号では、原則として日本語能力と仕事に必要な技能を試験などで確認します。
介護では、一般的な日本語能力の確認として、次のどちらかの合格が必要です。
日本語能力試験(JLPT)N4以上、または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)です。
必要な技能試験や日本語水準は、採用する分野に合わせて確認します。
試験名だけでなく、合格証明書の本人情報も照合しましょう。
技能実習の経歴などによっては、試験が免除される場合もあります。
介護の試験と免除条件
介護分野では、一般的な日本語試験に加え、介護特定技能評価試験の技能・日本語の両方に合格するのが基本です。
免除条件は経歴によって異なります。
主な経歴 | 試験の扱い |
介護職種の技能実習2号を良好に修了 | 技能・介護日本語・一般の日本語試験が免除 |
介護以外の技能実習2号を良好に修了 | 一般の日本語試験は免除。技能・介護日本語は必要 |
介護福祉士養成施設を修了 | 技能・介護日本語・一般の日本語試験が免除 |
「技能実習の経験がある」だけでは、免除の判断はできません。
職種や修了状況を証明する書類まで確かめましょう。
ネパールでの試験日程と申込方法
ネパールでは、介護特定技能評価試験が実施されています。
技能試験はネパール語でも受験できますが、介護日本語の試験は日本語で行われます。
受験日や会場、空席はプロメトリックの公式サイトで確認してください。
申込時は、受験者用IDを作成し、試験・国・会場・日時を選んで予約します。
旅券などの本人確認書類と登録情報をそろえ、支払方法も確認しましょう。
JFT-Basicと介護の試験は別に予約が必要なため、両方の日程を見て準備を進めます。
ネパール現地から採用する手続き
現地採用では、日本の在留手続きに加え、ネパール側の出国前手続きが必要です。
査証が出た時点で準備完了と考えず、海外労働許可証まで確認しましょう。
募集・面接・雇用契約
まず、担当業務や給与、勤務時間、住居の条件を整理し、候補者を募集します。
面接では、日本語の受け答えに加え、仕事内容への理解や将来の希望を確かめましょう。
契約前に、本人が理解できる言語で労働条件を説明することが大切です。
特に、給与から控除する費用や夜勤の有無は、具体的に伝えます。
仲介事業者を利用する場合は、紹介業務の範囲と料金も確認してください。
保証金や違約金など、不適切な契約が本人に課されていないかも必ず確認しましょう。
在留資格認定証明書の申請
雇用契約後は、受け入れ機関側で必要書類をそろえ、在留資格認定証明書の交付を申請します。
これは、来日して行う活動などが在留資格の条件に合うかを確認する手続きです。
本人の書類だけでなく、事業所の雇用・支援体制を示す資料も必要になります。
介護分野では、申請前の協議会加入も準備に含めましょう。
なお、入国前結核スクリーニングでは、特定技能外国人は当面の間、対象外とされています。
通常の健康診断とは区別し、申請時の最新案内を確認してください。
査証申請と出国前の準備
在留資格認定証明書が交付されたら、本人が査証申請を進めます。
申請窓口や予約方法は、在ネパール日本国大使館の最新案内を確認してください。
ネパール側の準備には、次の手続きも含まれます。
指定医療機関での健康診断
出国前オリエンテーションの受講
海外労働保険への加入
海外労働者社会福祉基金への支払い
日本側とネパール側の手続きを分けて管理することが、準備漏れを防ぐポイントです。
本人と担当者で、完了した手続きと残っている項目を共有しましょう。
海外労働許可証の取得と入国
ネパールから特定技能で来日する人は、現地当局に海外労働許可証の発行を申請します。
海外労働許可証はネパール出国時に確認されるため、取得状況の確認が必要です。
申請に必要な書類や手順は、ネパール側の担当窓口へ確認してください。
受け入れ側も、許可証と査証の取得状況を踏まえて渡航日を調整します。
入国に合わせて、空港から住居への送迎や生活に必要な契約の支援を準備しましょう。
到着後すぐに困らないよう、連絡先と初日の予定を事前に渡しておくと安心です。
日本在住のネパール人を採用する手続き
国内採用でも、現在の在留資格のまま希望する仕事に就けるとは限りません。
在留状況の確認から就労開始まで、必要な手続きを先に整理しておきましょう。
経歴・在留資格の確認
採用時は、在留カードや旅券、試験の合格証明書などを確認します。
留学生、技能実習修了者、すでに特定技能で働く人では、確認する内容が異なります。
現在認められている活動と、採用後の業務を分けて考えることが大切です。
留学生の場合は、学業の状況や資格外活動の実態も確かめましょう。
介護経験がある人には、施設の種類や担当業務、勤務期間を具体的に聞きます。
書類上の経験年数だけでなく、実際に任せられる仕事を把握して育成計画につなげてください。
雇用契約と在留資格の変更
条件を確認して雇用契約を結んだら、特定技能への在留資格変更許可申請を進めます。
すでに特定技能で働いている人でも、受け入れ機関が変わる場合は在留資格変更許可申請が必要です。
内定や申請の受理だけで、新しい勤務先で特定技能として働き始めることはできません。
許可の取得時期に合わせて、入職日や研修の予定を調整しましょう。
現職がある場合は、退職日や住居の変更も確認します。
在留期限が迫っている人については、早い段階で管轄の入管へ相談してください。
一時帰国時の海外労働許可証
日本で特定技能へ変更した人でも、ネパールへ一時帰国する際は注意が必要です。
日本へ戻るためにネパールを出国するときも、海外労働許可証の手続きが必要になります。
日本側の再入国手続きとは別に、ネパール側の必要書類を確認しましょう。
本人から帰省の希望が出た段階で、許可証の取得状況と現地での手続き日程を聞いておきます。
帰国前に確認しておけば、再渡航の準備不足による勤務予定への影響を抑えられます。
過去に取得済みの場合も、その扱いを現地窓口に確認してください。
特定技能採用の費用と期間
採用費用と所要期間は、候補者の状況や外部に委託する業務で変わります。
入職までの費用と、雇用後に続く費用を分けて見積もることが基本です。
採用時の初期費用
初期費用は、現地採用か国内採用か、紹介会社を利用するかなどで異なります。
一律の相場だけで判断せず、次の項目を同じ条件で比較しましょう。
費用の項目 | 見積もりで確認する内容 |
募集・人材紹介 | 紹介料、支払時期、返金規定 |
申請の準備 | 書類作成・翻訳・専門家への依頼料 |
渡航・転居 | 航空券、移動費、住居の初期費用 |
現地手続き | 健康診断、保険、許可証に関する費用 |
総額に加え、誰がどの費用を負担するかまで明確にしてください。
見積書に含まれない項目や追加料金も確認し、本人に説明する内容と食い違わないようにします。
雇用・支援にかかる継続費用
入職後は、給与や社会保険料の事業主負担に加え、支援・教育の費用が発生します。
登録支援機関へ委託する場合は、月額料金に含まれる対応範囲を確認しましょう。
日本語教育や住居の補助なども、事業所の方針に応じて予算化します。
義務的支援の費用を、外国人本人に直接・間接に負担させることはできません。
住居費などの生活費と、支援を行うための費用を混同しないことが大切です。
採用人数だけでなく、教育担当者の業務時間も含めて継続できる体制を考えましょう。
採用から就労開始までの期間
就労開始までには、候補者探しや試験、書類準備、在留審査などの時間が必要です。
現地採用では、その後に査証や出国前手続き、渡航の調整も加わります。
在留申請の審査期間だけを、採用全体の所要期間として見込まないようにしましょう。
試験の受験前か合格済みかによっても、準備の進め方は変わります。
希望する入職日から逆算し、各手続きの担当者と期限を決めてください。
追加資料の提出などに備え、許可前から勤務開始日を確定しすぎないことも大切です。
介護事業所の受け入れ要件
候補者が条件を満たしていても、介護事業所側の準備が整っていなければ採用は進められません。
施設・雇用条件・支援体制の要件を、契約前から確認しましょう。
対象施設・人数・協議会加入
受け入れ先は、厚生労働省が定める対象施設に該当する必要があります。
受け入れ人数は、事業所ごとに日本人等の常勤介護職員の総数が上限です。
この「日本人等」には、一定の在留資格を持つ外国人なども含まれます。
在留申請前に、介護分野における特定技能・育成就労協議会への加入が必要です。
受け入れ事業所の情報を登録し、入会証明書の発行を受けましょう。
法人としてすでに加入している場合も、今回の事業所の登録状況を確認してください。
報酬・雇用条件
特定技能の外国人には、日本人が同じ仕事に従事する場合と同等以上の報酬が必要です。
経験や職責などを踏まえ、比較の理由を説明できる条件に整えましょう。
介護分野は、派遣ではなく直接雇用で受け入れます。
外国人であることを理由に、賃金や待遇を不利に扱ってはいけません。
基本給だけでなく、各種手当や残業代、休日、控除項目も説明します。
特に、額面給与と手取り額の違いを具体的に示すと、入職後の認識のずれを防ぎやすくなります。
支援計画と登録支援機関
特定技能1号では、仕事や生活を支えるための支援計画を作成し、実施する必要があります。
主な内容には、次のような支援があります。
事前ガイダンスと入出国時の送迎
住居の確保や生活に必要な契約の支援
生活オリエンテーションと公的手続きの補助
日本語学習の機会提供と相談・苦情への対応
定期的な面談など
自社で要件を満たす体制を整えるか、登録支援機関へ委託するかを決めましょう。
委託時は、本人が理解できる言語への対応や、緊急時の連絡体制まで確認してください。
ネパール人介護士の育成と定着
採用後に力を発揮してもらうには、仕事を教える体制と安心して相談できる環境が必要です。
本人の経験や希望に合わせて、教育と生活支援を組み合わせることが定着の土台になります。
本人の経験・希望・日本語力の把握
入職時には、できる業務と練習が必要な業務を一緒に確認しましょう。
試験の合格だけで、利用者への声かけや記録が十分にできるとは限りません。
介護技術と日本語力を分けて把握し、任せる仕事を段階的に広げることが大切です。
例えば、実際の介助場面を見てもらい、手順や注意点を本人の言葉で説明してもらいます。
資格取得の希望や日本で働きたい期間も聞いておきましょう。
本人の目標と事業所の期待を共有すると、育成の優先順位を決めやすくなります。
食事・生活習慣への配慮
食事や生活習慣への配慮は、本人の希望を確認したうえで具体化します。
宗教だけで判断せず、避けたい食材や調理上の希望を聞きましょう。
文化への配慮と、職場の共通ルールを理解してもらうことを両立させます。
例えば、職員食の原材料を確認できるようにし、難しい場合は持参を相談します。
休暇の申請方法や遅刻時の連絡先も、入職時に具体的に説明してください。
「察してもらう」ことに頼らず、理由と手順を共有することが、行き違いを減らす助けになります。
介護現場の日本語教育
介護の仕事では、日常会話に加えて、利用者の状態を正確に伝える日本語が必要です。
声かけ・報告・記録を、実際の業務と結び付けて練習しましょう。
例えば、次の内容を短い時間でも繰り返し確認します。
介助の前に、これから行うことを説明する
体調の変化を、いつ・どこで・どうなったかで報告する
記録でよく使う言葉を、具体的な場面と一緒に覚える
教える側も、短い文や分かりやすい表現を使うことが大切です。
分からないときに聞き返せる雰囲気をつくり、理解した内容を確かめながら進めてください。
生活支援と資格取得のサポート
仕事を続けるには、住居や通院、行政手続きなどの不安を相談できる環境も欠かせません。
定期面談では、仕事の評価だけでなく生活面の困りごとも確認しましょう。
長期就労を希望する人には、早い段階で介護福祉士資格への道筋を共有します。
受験に必要な実務経験や研修を確認し、学習時間と勤務の両立を支えることが大切です。
研修の申込時期や費用負担も、本人と相談して決めておきます。
採用時から教育を見据えたい方は、特定技能「介護」の制度と受け入れのポイントも参考にしてください。
まとめ:特定技能でネパール人を採用・定着させるポイントを解説

ネパール人の特定技能採用では、本人の試験・在留要件と、受け入れ事業所の体制を確認することが出発点です。
現地採用では海外労働許可証などの準備が必要で、国内採用でも一時帰国後の再渡航に注意が必要です。
費用は初期費用と継続費用に分け、就労開始までの各手続きを逆算して準備しましょう。
採用後は、本人の文化や希望を理解し、日本語教育と生活支援を続けることが定着につながります。
長期就労を望む人には、介護福祉士資格の取得を見据えた学習計画も共有してください。
Sakulaでは、外国人介護士に特化した実務者研修を提供しています。
日本語の理解に配慮した学習支援を取り入れたい事業所様は、外国人介護士向け実務者研修をご覧ください。




コメント