インドネシア人介護人材の特徴は?メリットや受け入れの注意点を解説

インドネシア人材の特徴を知りたい
宗教や生活習慣に配慮するポイントを知りたい
日本語力や介護経験の壁に不安がある
インドネシア人介護人材の採用について、こうしたお悩みはありませんか?
採用を考える際は、現地の介護・教育事情を踏まえて、本人の経験や施設で任せたい業務内容をすり合わせることが大切です。
本記事では、インドネシア人介護人材の特徴と採用メリット、受け入れ時の注意点を中心に解説します。
採用前の確認事項を知りたい介護事業者の方は、ぜひ参考にしてください。
Sakulaでは、「外国籍介護士専用の実務者研修認定校」や「外国籍介護士専用の国家試験対策」を提供しています。
ご興味がある方は、Sakulaの外国人向け実務者研修からお問い合わせください。
インドネシア人介護人材の特徴
インドネシア人介護人材への理解には、現地の介護事情と、一人ひとりの就労目的を分けて捉えることが役立ちます。
教育や宗教の背景を押さえつつ、実際の経験や生活上の希望は本人に確認しましょう。
現地の介護事情と人材教育
インドネシアでは、高齢者ケアの教育が拡充されている一方、日本の介護福祉士と同じ専門職制度が整っているわけではありません。
家族を介護した経験や現地の看護資格だけで、日本の施設で必要な技能が備わっているとは判断できません。
一方、JICAはインドネシア保健省と介護・日本語教育の教材づくりや教員養成を進めています。
採用時には学校名だけでなく、学んだ内容や実習で経験した介助を聞き、自施設で必要な教育を見極めましょう。
日本での就労を希望する理由
日本で働く目的には、収入を得ることや家族への送金、介護技術・日本語の習得などが考えられます。
ただし、同じ国籍でも、希望する働き方や将来の進路は異なります。
面接では「日本でどのような経験を積みたいか」「何年ほど働きたいか」「資格取得に関心があるか」を聞いてみましょう。
送金を希望する場合も、希望額だけで採否を決めるのではなく、日本での生活費を差し引いた手取りで実現できるかを一緒に確認すると、条件の食い違いを防ぎやすくなります。
宗教・生活習慣の多様性
インドネシアにはイスラム教徒のほか、異なる宗教を信仰する人もいます。
イスラム教徒であっても、食事や礼拝、服装、ラマダン(断食月)の過ごし方には個人差があります。
「インドネシア人だから、この対応が必要」と一括りにせず、本人が大切にしている習慣を聞くことが基本です。
豚肉やアルコールを避ける食習慣、礼拝の希望などは、勤務や共同生活に関わる場合があります。
具体的な対応は、後述する注意点を参考に、業務上の条件と合わせて相談しましょう。
インドネシア人を介護職に採用するメリット
インドネシア人材の採用には、募集対象を広げ、教育歴や将来の希望が自施設に合う人材を探せる利点があります。
国籍だけで介護への適性を判断せず、次の3点を採用計画に生かしましょう。
国内の求人に加えて採用の選択肢を広げられる
外国人介護人材の受け入れ制度を活用すると、日本国内の在留者に加え、海外で日本での就労を希望する人も採用候補にできます。
国内の求人だけでは出会えなかった候補者へ、募集の範囲を広げられることがメリットです。
ただし、海外採用では来日までの手続きや住まいの準備が必要です。
国内採用でも、在留資格や転職時に必要な手続きを確認しなければなりません。
採用したい時期と指導に充てられる人数を先に決め、候補者の所在や利用する制度を選びましょう。
介護・日本語を学んだ人材を採用できる
現地には介護や日本語を学ぶ機会があり、学習経験を持つ候補者の採用を検討できます。
JICAの取り組みでも、高齢者ケアと日本語の教材整備、教員の育成が進められています。
その際は、試験の合否に加えて、どのような場面で知識や日本語を使ってきたかを確認しましょう。
例えば、移乗介助を見学しただけなのか、指導者の下で実施したのかによって、入職後に必要な指導は変わります。
教育の充実が進んでいることと、個々の候補者の技能は分けて評価する必要があります。
資格取得を通じて長期雇用を目指せる
介護福祉士資格を取得すると、在留資格「介護」への変更など、長く働くための選択肢が広がります。
在留資格「介護」は更新回数に制限がないため、本人の資格取得を支援することは、長期的な雇用を考えるうえでも有効です。
資格を取れば自動で在留資格が変わるわけではなく、申請・許可が必要です。
EPA(経済連携協定)で資格を取得した場合は、EPA介護福祉士として継続就労する道もあります。
施設側は受験時期だけでなく、研修の受講や勉強に充てる時間も相談しておきましょう。
Sakulaの実務者研修では、日本語教師の資格を持つ講師が、外国人に理解しやすい言葉で専門的な技術を指導しています。
インドネシア人介護人材の受け入れ制度と採用手続き
介護分野の主な受け入れ制度は、特定技能1号、EPA、在留資格「介護」、技能実習です。
候補者の資格・経験だけでなく、制度の目的と施設側の受け入れ要件を確認して選びましょう。
制度 | 主な対象・目的 | 窓口・手続きの要点 |
特定技能1号 | 一定の技能・日本語力を持つ人 | 募集・契約後、在留申請と支援計画を準備 |
EPA | 国家資格を目指す介護福祉士候補者 | JICWELSを通じた選考・マッチング |
在留資格「介護」 | 日本の介護福祉士資格を持つ人 | 資格と在留カード、必要な在留手続きを確認 |
技能実習 | 母国への技能移転を目指す実習生 | 監理団体等を確認し、実習計画認定と在留手続き |
特定技能1号では、技能・日本語の要件を確認し、雇用契約に加えて生活面などの支援計画を用意します。
EPAは二国間の経済連携に基づき、就労・研修を通じて国家資格の取得を目指す制度です。
技能実習は母国への技能移転を目的としています。
同じ介護業務でも、制度によって窓口や必要な準備が異なります。
なお、育成就労制度は2027年4月1日の施行予定です。
技能実習での受け入れを考える場合は、採用予定時期と移行期の取り扱いも確認してください。
永住者など、上記の4制度以外で介護職に就ける人もいます。
インドネシア人介護人材の採用にかかる費用
採用費用は、入職までの初期費用、毎月の人件費、支援・教育の費用を分けて見積もると比較しやすくなります。
制度や国内・海外採用の違いによって項目が変わるため、紹介料だけで総額を判断しないようにしましょう。
紹介・渡航・住居準備などの初期費用
初期費用の候補には、人材紹介料、渡航費、在留申請に関する費用、住居の契約費用、家具・生活用品の準備費があります。
すべての採用で同じ費用が発生するわけではないため、何が含まれ、誰が負担するのかを項目ごとに確認することが大切です。
紹介会社へ見積もりを依頼する際は、次の点をそろえて比較しましょう。
紹介料に含まれる業務と、別料金になる業務
税込・税抜、支払時期、早期退職時の返金条件
渡航・住居費の発生条件と、制度上認められる負担区分
本人の負担にできると決め付けず、各制度のルールに沿って契約内容を確認してください。
給与・社会保険などの人件費
給与や夜勤手当に加えて、事業主が負担する社会保険料なども継続的に発生します。
外国人だから人件費を低く抑えられる、という前提で採用計画を立てないことが大切です。
特定技能では、同等の業務に従事する日本人と同等以上の報酬が求められます。
給与を比較する際は、基本給だけでなく、夜勤の回数、各種手当、所定労働時間もそろえて確認しましょう。
候補者へ説明するときは、額面給与と、税・社会保険料や住居費などの控除後の手取りを分けると、認識のずれを減らせます。
制度に応じた支援・教育の費用
特定技能1号では生活面などの支援が必要で、登録支援機関へ委託する場合は委託費もかかります。
ただし、要件を満たす施設が自ら支援することもでき、すべての制度で委託が必須というわけではありません。
義務的な支援と、資格取得に向けた追加の教育を分けて予算化しましょう。
日本語学習、実務者研修、国家試験対策などは、対象者と受講時期を確認します。
特定技能の義務的支援にかかる費用は、本人に直接・間接に負担させられません。
委託費に何が含まれるかも見積書で確かめてください。
インドネシア人を介護職に受け入れる際の注意点
受け入れ前には、本人に確認することと、施設側が準備することを具体的に決める必要があります。
日本語・技能、生活習慣、労働条件、現場の対応について、採用担当者と指導担当者が同じ理解を持てるようにしましょう。
日本語・介護スキルを面接で確かめる
面接では、試験結果に加えて、介護現場でのやり取りを模擬的に行い、できることと支援が必要な点を確かめましょう。
日本語の試験に合格していても、利用者への声かけや記録、緊急時の報告まで一人でできるとは限りません。
例えば、次のような場面を用意すると、入職後の指導を考えやすくなります。
食事を始める利用者に、どのように声をかけるか
職員の指示が分からないとき、どう聞き返すか
利用者の普段と違う様子を、誰にどう報告するか
短い介護記録を読み、内容を説明できるか
これは施設での確認方法の例であり、公的な合否基準ではありません。
その場で答えられたかだけでなく、説明を言い直せば理解できるか、安全のために助けを求められるかも見ます。
結果を「入職時に任せる業務」「同行・見守りが必要な業務」「指導担当者」に結び付けると、採用判断と受け入れ準備を一緒に進められます。
食事・礼拝・服装の希望を本人に確認する
宗教や生活習慣への配慮は、本人が希望することを聞き、業務・衛生上の条件と合わせて対応を相談するところから始めます。
国籍だけを理由に食事や勤務の制限を決めないようにしましょう。
食事では、避けたい食材や調味料のほか、利用者の食事を扱う業務や味見への希望も確認します。
礼拝については、必要な時間と場所を聞き、休憩や職員配置とどう調整できるかを相談してください。
ヒジャブ(髪などを覆う布)を着用する場合も、本人の希望を尊重しながら、安全・衛生を保てる着用方法を検討します。
断食を行うかどうかや、断食中の体調にも個人差があります。
断食を理由に一律に介護業務を任せられないとせず、体調が優れないときの申し出先や対応を決めておきましょう。
帰省の希望があれば、必要な休暇や申請時期も確認します。
合意した対応と、勤務中に調整が必要になった場合の相談先を残しておくと、担当者による対応の違いを防ぎやすくなります。
給与・業務内容・住まいの条件を共有する
雇用条件は、本人が理解できる言語で説明し、書面の内容と実際の認識が一致しているかを確かめましょう。
「説明した」「うなずいていた」だけでは、十分に伝わったか判断しにくいためです。
給与は、基本給・手当・控除を分けて伝えます。
夜勤手当を含む金額を示す場合は、何回の夜勤を想定した金額なのか、夜勤に入らない月の給与はいくらなのかも説明してください。
業務では入浴・排泄介助、勤務時間、休日、夜勤を始めるまでの指導方針などを共有します。
住まいについては、家賃、共益費、初期費用、光熱費、家具の有無、通勤手段を具体的に示しましょう。
共同生活の場合は、部屋の使い方や生活上のルールも確認が必要です。
費用の本人負担を当然の前提にせず、制度上の扱いと契約内容を照合します。
最後に「毎月の住居費はいくらか」などを本人の言葉で説明してもらい、理解が異なる箇所は説明し直してください。
労働条件通知書などの書面と、確認・合意した内容を残しておきます。
現場の職員と受け入れ方針をそろえる
受け入れの準備は、採用担当者だけで完結させず、実際に一緒に働く職員へ、担当業務・指導方法・相談先を共有して進めましょう。
現場ごとに説明が変わると、新しく入る職員が何を基準に動けばよいか迷ってしまいます。
入職前に、受け入れ責任者、日常の指導担当、生活面の相談窓口、緊急時に連絡する相手を決めてください。
宗教上の配慮についても、本人と合意した範囲で、業務調整に必要な情報を共有します。
誰がどの場面を担当するかまで確認しておくと、配慮や指導が一部の職員に集中しにくくなります。
日本語で指示するときは、短く具体的に伝え、本人の言葉や実際の動作で理解を確かめる方法をそろえましょう。
分からないときに聞き返してよいことや、確認するまで一人で進めない業務も伝えます。
本人の努力だけに任せず、現場が教えられる人数や時間と採用計画を合わせることが、安全な受け入れにつながります。
インドネシア人介護人材の採用でよくある質問
働ける業務や期間、採用ルートは、国籍だけでなく在留資格や受け入れ制度によって異なります。
採用時によく迷う3つの点を確認しましょう。
訪問介護にも従事できますか?
条件を満たせば、訪問介護に従事できる場合があります。
特定技能・技能実習では、初任者研修等の修了と原則1年以上の実務経験に加え、事業所の研修、同行訓練、キャリアアップ計画、相談窓口、ICT等を活用した緊急時の対応体制が必要です。
利用者・家族への事前説明や、所定の事前手続きも求められます。
EPA候補者と資格取得後のEPA介護福祉士でも扱いが異なるため、在留資格と本人の要件を個別に確認してください。
日本で何年働くことができますか?
特定技能1号は原則通算5年で、介護分野には条件付きで最長1年延長する措置があります。
国家試験の全パート受験、一部パートの合格、合格基準点の8割以上の得点、翌年度の受験や学習計画などの要件があり、全員が延長できるわけではありません。
在留資格「介護」は更新回数に制限がなく、技能実習は段階ごとの条件を満たせば最長5年です。
EPAのインドネシア人介護福祉士候補者は従来最大4年で、特例延長もあります。
2026年8月の日尼EPA改正により、2027年度入国者から最大5年の適用が見込まれています。
資格取得後の継続就労は、必要な在留手続きも確認しましょう。
特定技能で送り出し機関の利用は必須ですか?
インドネシアの特定技能では、職業紹介事業者P3MIの利用は任意です。
ただし、利用しなければ母国側の手続きも不要になるわけではありません。
海外から新たに採用する場合は、日本の在留申請に加え、インドネシア側の登録・出国前手続きを確認してください。
技能実習の認定送出機関とは異なるため、他制度にも一律に「任意」と当てはめないことが大切です。
まとめ:インドネシア人介護人材の採用は制度と受け入れ体制を確認しよう
インドネシア人介護人材の採用では、現地の教育や生活習慣への理解を土台に、本人の技能・希望と、施設で任せたい仕事や用意できる支援をすり合わせることが大切です。
国籍による印象だけで判断せず、面接でのやり取りや経験の確認を通じて、入職後に必要な指導を具体化しましょう。
まずは採用時期と人数、候補者の所在を整理し、利用する制度、初期費用と継続費用、住居・現場の準備を確認してください。
宗教上の希望や給与の説明も採用前に行い、合意した対応を現場へ引き継ぐと、受け入れを進めやすくなります。
Sakulaは、外国人介護士の採用・登録支援に加え、外国人向けの実務者研修を提供しています。
採用と資格取得の支援を合わせて検討したい介護事業者の方は、ご相談ください。




コメント