特定技能「介護」の試験とは?内容・日程・申し込み方法・免除条件を解説

採用候補者に必要な試験が分からない
技能実習の経歴によって何が免除されるのか知りたい
申し込みや学習を、施設としてどう支援すればよいか迷っている
特定技能「介護」に関して、このようなお悩みはありませんか?
特定技能「介護」では、介護の技能・介護の日本語・一般的な日本語能力を確認します。
ただし、候補者の経歴によって必要な試験は異なります。本記事では、特定技能「介護」について、試験内容や免除条件、日程・費用、申し込み方法を整理します。
受験準備から入職後の育成まで見通しを立てたい担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください。
特定技能「介護」の取得に必要な試験は?
特定技能「介護」では、原則として介護の技能・介護の日本語・一般的な日本語能力を確認します。
それぞれを測る試験の役割を知ると、採用候補者に必要な受験を整理しやすくなります。
介護の技能と日本語を確認する2つの評価試験
介護分野に固有の試験は、介護特定技能評価試験の「技能」と「日本語」の2つです。
以前の「介護技能評価試験」「介護日本語評価試験」に当たります。技能試験は、利用者の状態に応じた介護を行うための知識や判断を確認します。
日本語試験で確認するのは、介護業務で使う言葉や会話、文書を理解する力です。
どちらも、会場のパソコンで問題を読み、画面上で解答するCBT方式で実施されます。
介護の経験がある人でも、日本語の専門用語には別の学習が必要な場合があります。採用面談では、2つの試験の合否を分けて確認しましょう。
一般的な日本語能力はJFT-BasicまたはJLPT N4以上で確認
日常生活に必要な日本語能力は、国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)か、日本語能力試験(JLPT)で確認します。
JFT-BasicはA2.2(A2)、JLPTはN4以上が要件です。
2026年8月からJFT-BasicではA1・A2.1も判定されますが、その判定だけでは特定技能1号の要件を満たしません。
2026年7月以前に受験した場合は、総合得点200点以上の結果を引き続き使えます。
一般の日本語と介護の日本語は別の要件です。JLPT N3・N2などに合格していても、免除条件に該当しなければ介護の日本語試験が必要です。
介護福祉士国家試験・技能実習評価試験との違い
名称が似ていますが、特定技能の評価試験と介護福祉士国家試験は、目的が異なります。
採用時には、本人が「介護の試験に合格した」と話すだけで判断せず、試験名を確認してください。
試験 | 主な目的 |
介護特定技能評価試験 | 特定技能1号で働くための技能・介護日本語を確認する |
介護福祉士国家試験 | 国家資格「介護福祉士」の取得に必要な知識・技能を確認する |
介護技能実習評価試験 | 技能実習で身につけた技能を評価する |
特定技能の技能試験は、介護職種の技能実習2号修了相当の水準です。
ただし、特定技能の試験に合格しても、介護福祉士の資格を取得したことにはなりません。
国家資格の取得は、入職後の育成計画として分けて考えましょう。
特定技能「介護」の試験の受験資格と免除条件
候補者の経歴によって、必要な試験と免除される試験が変わります。
受験資格を確認したうえで、技能実習や養成施設などの修了歴を整理しましょう。
受験できる年齢・国籍・在留資格を確認する
介護の評価試験は、原則として試験日に満17歳以上の外国籍の人が受験できます。
ただし、インドネシア国籍の人は満18歳以上である必要があり、日本国籍の人は受験できません。
日本国内で受験する場合は、在留資格を持っていることが必要です。短期滞在でも受験できますが、不法残留など在留資格がない場合は認められません。
国内受験では、法務大臣の告示で定める国・地域が発行した旅券を持つことも条件です。
受験できることと、特定技能の在留資格を取得できることは別です。合格だけで就労や在留資格の許可が保証されるわけではありません。
介護職種の技能実習2号を良好に修了した場合
介護職種の技能実習2号を良好に修了した人は、3つの試験要件が免除されます。
対象は介護の技能試験、介護の日本語試験、JFT-BasicまたはJLPTです。
ただし、「介護施設で働いたことがある」「技能実習の在留資格だった」という説明だけでは判断できません。
採用担当者は、実習した職種・作業と修了状況を確認しましょう。候補者から修了に関する資料を取り寄せ、在留資格申請で良好修了を証明できるか確認します。
免除の確認を受験予約前に行えば、不要な試験の手配を避けられます。
他職種の技能実習2号から介護分野へ移る場合
介護以外の職種で技能実習2号を良好に修了した場合、一般的な日本語試験は免除されます。
一方、介護の技能試験と介護の日本語試験には合格が必要です。
良好に修了した技能実習2号の職種 | 介護の技能 | 介護の日本語 | JFT-BasicまたはJLPT |
介護職種 | 免除 | 免除 | 免除 |
介護以外の職種 | 必要 | 必要 | 免除 |
例えば、製造業での実習を終えた候補者を採用する場合も、介護分野の学習と受験の準備が必要です。
日本語で会話できることだけを理由に、介護の日本語試験まで免除と考えないようにしましょう。
介護福祉士養成施設修了者・EPA介護福祉士候補者の場合
指定された介護福祉士養成課程の修了者は、技能・日本語の試験が免除されます。
実務者研修の修了だけでは、この養成施設修了の免除条件には当たりません。
卒業証明書などで、修了した課程を確認してください。
EPA(経済連携協定)の介護福祉士候補者も、4年間適切に就労・研修した場合に免除の対象になります。
厚生労働省の案内では、直近の国家試験の結果について、次の両方を確認するとされています。
合格基準点の5割以上を得点している
すべての試験科目で得点している
EPA候補者として在留した経験だけで、免除を判断しないことが大切です。
特定技能「介護」の試験内容と合格基準
学習計画を立てるには、出題範囲・問題数・合格基準を押さえることが大切です。
受験者のうち何人が合格したかを示す合格率とは、分けて確認しましょう。
技能試験の出題内容
技能試験は45問・60分で、学科40問と実技5問から構成されます。
学科の出題内訳は、次のとおりです。
学科の分野 | 問題数 |
介護の基本 | 10問 |
こころとからだのしくみ | 6問 |
コミュニケーション技術 | 4問 |
生活支援技術 | 20問 |
実技は、人を相手に介助を実演する試験ではありません。
写真などを見て、適切な手順や対応を判断する問題が出題されます。
介助の手順を暗記するだけでなく、安全や利用者の意思を踏まえて理由を説明できるように学習しましょう。
技能試験は、日本語のほか英語・インドネシア語などでも受験できます。
介護日本語試験の出題内容
介護の日本語試験は、15問・30分で、介護現場の日本語を理解する力を確認します。
試験言語は日本語です。
介護のことば:5問
介護の会話・声かけ:5問
介護の文書:5問
専門用語の意味だけでなく、利用者への声かけや記録を読む力も必要です。日常会話ができる人でも、介護に特有の表現は初めて学ぶことがあります。
施設で受験を支援する場合は、言葉を知っているかだけでなく、どの場面で使うかも確認しましょう。
技能試験の学習と並行して日本語の表現を覚えると、内容を結び付けて理解しやすくなります。
合格基準と合格率を分けて確認する
2026年4月からの合格基準は、技能が総得点の60%以上、日本語が73%以上です。
一方、合格率は受験者全体に占める合格者の割合で、開催国や実施月によって変わります。
例えば、2026年7月の日本国内の結果は以下のとおりです。
試験 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
技能評価試験 | 1,295人 | 765人 | 59.1% |
日本語評価試験 | 1,128人 | 767人 | 68.0% |
この1か月の合格率から、候補者本人の合格可能性は判断できません。
学習の進み具合は、問題を解いた結果と、間違えた理由をもとに確認しましょう。
特定技能「介護」の試験日程・会場・受験料
受験の予定は、公式サイトの開催情報と予約画面の空席を確認して決めます。
受験国によって料金や支払い方法も異なるため、候補者の居住地に合わせて準備しましょう。
国内・海外の開催日程と空席を確認する
2026年9月時点で、プロメトリックが案内する実施期間は2026年4月27日〜2027年3月10日です。
予約受付期間は2026年4月22日〜2027年3月5日ですが、会場ごとの開催日と空席は別に確認が必要です。
日本国内と海外で実施され、会場の追加や日程変更もあります。
次の順で調べると、候補日を絞りやすくなります。
試験ページから、受験国の開催日程を確認する
会場一覧で所在地と移動時間を確認する
予約画面で希望日の空席を確認する
一般の日本語試験も必要な人は、そちらの日程も併せて確認してください。
再受験や在留資格の申請期間も考え、入職予定日から余裕を持って計画しましょう。
受験料と支払い方法を確認する
日本国内の受験料は、技能・日本語それぞれ2,000円で、両方なら合計4,000円です。
これは介護の2試験の費用で、JFT-BasicやJLPTの受験料は含みません。
海外の金額は受験国によって異なります。国内で利用できる支払い方法には、次のものがあります。
クレジットカード・デビットカード・プリペイドカード
PayPay
バウチャー(受験チケット)
カード決済では、本人認証の仕組みである3Dセキュアへの対応が必要です。
施設が費用を負担する場合は、予約前に支払い方法と精算方法を決めておきましょう。
特定技能「介護」の試験の申し込みから結果確認まで
申し込みでは、本人確認書類と登録情報を一致させることが大切です。
予約だけでなく、当日の持ち物と結果通知書の取得まで、本人と一緒に確認しましょう。
試験の申し込み手順
申し込みは、プロメトリックのウェブサイトから行います。
すでにIDを持っている場合は、新しく作らず既存のIDを使います。
一人で複数のIDを取得すると、受験結果が無効になる場合があります。
本人確認書類を用意し、未登録ならプロメトリックIDを作成する
ログインして、受験する試験と使用言語を選ぶ
会場・日時を選び、登録情報と予約内容を確認する
受験料を支払い、確認書を保存する
氏名・生年月日・旅券番号などは、本人確認書類の記載に合わせて入力してください。
施設が入力を手伝う場合も本人と照合し、IDやパスワードは本人が管理できるようにしましょう。
予約変更の期限と試験当日の持ち物を確認する
予約・変更の期限は、原則として試験日の3営業日前の23時59分(日本時間)です。
試験日が土日・日本の祝日の場合は、4営業日前の23時59分までとなります。
キャンセルはできず、期限内でも空席がなければ変更できません。
営業日は日本の土日・祝日・年末年始休業を除くため、カレンダーで確認してください。
当日は確認書と、有効な本人確認書類の原本を持参します。本人確認書類は国ごとに指定があり、コピーやスマートフォンでの提示は認められません。
試験開始30分前までに到着できるよう、経路も確認しておきましょう。
遅刻や書類不備で受験できなくても、受験料は返金されません。
結果確認と再受験について
合否は、試験終了時に会場のパソコン画面で確認できます。
結果通知書は、受験の翌日から5営業日以内にマイページで閲覧できるようになります。
合格後は結果通知書を保存し、在留資格申請に備えましょう。不合格の場合、試験日の翌日から数えて45日間は同じ試験を受けられません。
受験言語を変えても、同じ科目ならこの制限の対象です。合格した試験は、再び受験することはできません。
再受験を計画する際は、受け直せる時期と空席を確認してください。
結果だけを急がず、理解が不十分だった分野を復習する時間も確保しましょう。
特定技能「介護」の試験に向けた勉強方法と無料教材
学習は、公式教材で範囲を確認し、問題演習で理解を確かめる流れで進めます。
施設が支援する際は、知識・日本語・パソコン操作のどこにつまずいているかを分けて見ていきましょう。
公式テキストとサンプル問題で出題範囲を押さえる
厚生労働省は、2026年度の試験に対応する学習用テキスト「改訂2版」を公開しています。
日本語版のほか、英語・インドネシア語などの版があり、無料で閲覧できます。
学習を始める前に、正誤表も確認しましょう。技能の内容を理解しにくい場合は、母語版と日本語版を見比べる方法があります。
そのうえで、厚生労働省のサンプル問題を使って出題形式を確認します。
サンプル問題は、実際に出た問題をまとめた「過去問」と同じものではありません。
答えだけを覚えず、テキストの該当箇所に戻り、なぜその選択肢が適切かを説明できるようにしましょう。
介護の言葉・声かけ・記録を場面と結び付けて学ぶ
介護の日本語は、用語・声かけ・記録を同じ場面と結び付けて学ぶと、使い方を整理しやすくなります。
例えば、食事介助なら「食事の姿勢」「利用者への確認」「食事量の記録」を一緒に扱います。
施設で教える際は、短い言葉で説明したあと、本人に言い直してもらいましょう。
「分かりました」という返答だけでは、どこまで理解できたか判断しにくいためです。
無料の学習ツール「にほんごをまなぼう」も、介護の日本語や試験対策に利用できます。
現場での指導方法は、外国人介護士への日本語の教え方と学習教材も参考にしてください。
模擬演習とCBT操作の練習で苦手分野を確認する
問題演習では、誤答の原因を「知識」「日本語」「操作」に分けると、次の学習を決めやすくなります。
介護の知識はあるのに問題文を読み違えた場合は、日本語表現の復習が必要です。
時間を計って解く練習も取り入れ、読み直しに使える時間を確かめましょう。
知識の不足:テキストの該当分野を読み直す
日本語の理解不足:用語や問題文の意味を確認する
操作への不慣れ:画面の案内や解答操作を練習する
プロメトリックには、CBT体験版が用意されています。
介護の試験対策問題集としてではなく、パソコンで受験する流れを確認するために活用しましょう。
試験合格後に介護事業所が確認したいこと
合格後は、在留資格の手続きと入職後の育成を並行して準備します。
試験の結果だけで採用準備を終えず、証明書類と学習支援の担当を決めておきましょう。
合格・免除の証明と在留資格の手続きを確認する
まず、必要な試験の結果通知書と、免除を受ける場合の証明資料を確認します。
試験の合格や免除だけで、特定技能として働き始めることはできません。
雇用契約や支援計画など、在留資格の申請に必要な準備が別途必要です。
試験名・本人情報・合格結果に相違がないか
免除対象となる職種や修了課程を証明できるか
雇用条件と入職予定日に合った申請準備ができているか
短期滞在で受験した人についても、合格すればそのまま就労できると説明しないようにします。
受け入れ要件の全体像は、特定技能「介護」の制度・受け入れ要件・業務範囲をご覧ください。
入職後の日本語学習と介護福祉士取得を支援する
入職後は、現場の日本語と介護技術を学び続けられる環境を整えましょう。
試験で学んだ内容に加え、施設ごとの記録方法や申し送りの表現を教える必要があります。
指導担当者を決め、困った場面を定期的に振り返る方法が考えられます。
将来の介護福祉士取得を目指す場合は、国家試験の受験要件を早めに確認してください。
実務経験ルートでは、原則として3年以上の実務経験と実務者研修の修了が必要です。
実務経験には従業期間と実際の従事日数の両方の条件があります。受講期間や学習時間を見込み、勤務との両立を支援しましょう。
Sakulaの外国人向け実務者研修では、日本語教師の資格を持つ講師が学習を支援します。
まとめ:特定技能「介護」の試験を理解し、採用と育成につなげよう

特定技能「介護」の試験では、介護の技能と日本語に加え、一般的な日本語能力も確認します。
候補者の経歴によって免除範囲が変わるため、まずは修了歴と証明資料を確認しましょう。
受験が必要な場合は、公式サイトで日程・費用・予約条件を確かめ、教材を使った学習を進めます。
合格後も在留資格の申請と、現場に合わせた教育の準備が必要です。受験支援を入職後の日本語学習や資格取得につなげることが、継続的な育成の第一歩になります。
Sakulaは、外国人介護士向けの実務者研修を提供しています。
日本語教師の資格を持つ講師が、理解しやすい言葉で専門的な知識・技術の習得を支援します。
外国人スタッフの介護福祉士取得に向けた育成をお考えの方は、Sakulaの実務者研修をご確認ください。




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