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執筆者の写真干泥 信隆

イスラム教の人がお祈りをする理由について





こんにちは。干泥です。


今回はよく質問をされるイスラム教のお祈りについて、ご紹介します。

これを見れば、なぜお祈りをする必要があるのか、理解をすることが出来ます。



まず、ムスリム(イスラーム教徒)のお祈りは太陽の位置によって時間が変わり、1日で5回おこないます。


1) 早朝 (ファジュル)

2) 正午頃 (ズフル)

3) おそい午後 (アスル)

4) 日没後 (マグリブ)

5) 夜 (イシャー)


おおよその時間が決まっていますが、必ずその時間ぴったりに行うというわけではなく、ある程度前後することもあるようです。


なぜお祈りをするのかという疑問がありますが、ムスリム(イスラム教の人)は、ただ、お祈りしたいからしています。もっと簡単に言えば、お祈りが好きだからしているということです。


彼らにとって「祈る」という行為は、美しく尊いものです。

ではムスリムは誰に向かって祈っているのでしょうか。


答えは神様である「アッラー」です。


「アッラー」というのは、アラビア語で「神」という単語です。日本では、たくさんある神の中の「アッラー」という名前の神のように言われることがありますが、それは間違いで、神という概念自体のアラビア語が「アッラー」なので、アラビア語圏のキリスト教徒の人たちが、「神よ!」と祈るときにも、同じように「アッラー!」と言います。


アッラーというのは、イスラーム教の神だけのことではなく、すべての人が信じる対象である「神」そのものが、「アッラー」なのです。


その神様に向うお祈りをムスリムが好きな理由を主に3つ、ここでご紹介したいと思います。


まずイスラームのお祈りの楽しみの一つ目は、直接、神様と対話できることです。

イスラームでは、聖職者(僧侶、牧師、司祭、など)という人がいないので、人を通さず、すべてのムスリムが直接、神様と対話します。自分に命を与えてくださり、日々自分を生かしてくださり、守ってくださっている神様と対話する時間、お祈りの時間は心休まるかけがえのない時間です。


アッラーは、とても慈悲深く、人間すべてを愛していますから、自分のことを愛してくださっている神様に会える楽しみな時間がお祈りなのです。例えば、保育園にいる小さな子どもが、夕方、母親が迎えに来ると喜んで走って行きますよね。同じ心境です。お祈りをすると、自分のことを愛して護ってくれる母親に会えるような、とても嬉しい気持ちになります。ですから、ムスリムは誰に強制されなくてもお祈りをします。小さな子どもが、誰に言われなくても母親の所に走っていくのと同じです。




イスラームのお祈りの楽しみの二つ目は、お祈りで心をきれいに洗うことができることです。

仕事や生活、人間関係などで疲れてしまった心を、すっかりきれいに洗い流してくれる、お祈りは心にとってお風呂のようなものです。預言者ムハンマドはお祈りのことをこう言いました。


「あなた方それぞれのドアの前に川があり、毎日5回そこで体を洗ったら、何か汚れが残ると思いますか。」


人々は、「いいえどんな汚れも残りません。」と答えると、彼はさらに、


「それこそが毎日5回の礼拝です。アッラーは礼拝によって罪を消し去るのです。」、罪もなく真っ白な状態「まるで母親のお腹から生まれたばかりの日のように、きれいになります。」と言われました。


毎日お風呂に入って身体を綺麗にするように、ムスリムはお祈りをすることによって心身をきれいにしているんです。


イスラームのお祈りの楽しみの三つ目は、お祈りで心の充電ができ、精神的な栄養がとれることです。

体が生きていくのに食べ物が必要なように、心にも栄養が必要です。その心の栄養補給が5回のお祈りです。体は一日3回食事をしますが、なぜ心の栄養は5回摂る必要があるのでしょうか?イスラームでは、心というのはとても大切なもので、それが腐ると心身すべてが腐る、とも言われています。



こういった考えのもと、ムスリムの方々は日々お祈りをしています。

100%理解することは必要ないかもしれませんが、受け入れることは大切と思います。


ぜひ参考にしていただければ幸いです。



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